Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
六
やがて彼も遺産の田地もいくらか残っていたので、それを金にして、柳原で店を拡げることになったのだったが、もう十四にもなった銀子が、蔵前のある靴工場へ通い、靴製造の職を仕込まれた時分には、子供も殖え、彼も怪我をして、小僧と職工を四五人つかっていた、柳原の店も寂れがちであった。
銀子が芸者屋をいやがり、手に職を覚えるつもりで、靴の徒弟に住みこんだのは、ちょうど蔵前の大きな靴屋で、そのころハイカラな商売とされた斯界の先達であり、その商売に転向した多勢の佐倉藩士の一人で、夫人も横浜の女学校出のクリスチャンであり、一つ女の職人を仕立てるのも面白かろうと引き受けてくれた。
六
銀子はクリスチャンであったその家庭で日常を躾けられ、多勢の兄弟子に交じって、皮を裁つことや縫うことを覚え、間もなく手間賃をもらい、家の暮しを助けることができたが、やがて彼女の細腕では持ちきれない時が来た。
やがて皮削ぎ庖丁や縫針で、胼胝の出来た手で、鼓や太鼓の撥をもち、踊りも、梅にも春や藤娘、お座敷を間に合わせるくらいに仕込まれた。銀子は撫で肩の肩が少し厚ぼったく、上背もなかったが顔は彼女の型なりに完成美に近く、目も美しく、鼻も覗き気味で尋常であった。