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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

九

差別は分からなかったが、四街道、習志野、下志津などから来る若い将校や、たまには商用で東京から来る商人、または官庁の役人などと違って、こうした科学者には、何か芸者に対する感じにも繊細なところがある代りに、気むずかしさもあるように思えた。それに栗栖の態度には、どうかすると銀子を教育するような心持があり、何だと思うこともあった。

暮はひどくあわただしかった。マダムが病院から死骸で帰り、葬式を出すのとほとんど同時に、前からそんな気配のあった浜龍が、ちょうど大森へ移転する芸者屋の看板を買って、披露目をすることになり、家がげっそり寂しくなってしまった。

銀子も暮から春へかけて、感冒にかかり扁桃腺を脹らして寝たり起きたりしていたが、親爺の親切な介抱にも彼女の憎悪は募り、ある晩わざと家をぬけ出して、ふらふらと栗栖の家の前まで来た。

九

栗栖は隅に椅子卓子などを置いてある八畳の日本室で、ドイツ語の医学書を読んでいたが、銀子の牡丹がふらふらと入って来るのを見ると、見られては悪いものか何ぞのように、ぴたりと閉じた。銀子は咽喉に湿布をして、右の顎骨あたりの肉が、まだいくらか腫れているように見えたが、目にも潤みをもっていた。