Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
四
四
ここでは酒が飲めないので、均平は何か間のぬけた感じだったが、近頃はそう物にこだわらず、すべてを貴方まかせというふうにしていればいられないこともないので、酒の払底な今の時代でも、格別不自由も感じなかった。もちろん心臓も少し悪くしていた。こうした日蔭者の気楽さに馴れてしまうと、今更何をしようという野心もなく、それかと言って自分の愚かさを自嘲するほどの感情の熾烈さもなく、女子供を相手にして一日一日と生命を刻んでいるのであった。時にははっとするほど自分を腑効なく感じ、いっそ満洲へでも飛び出してみようかと考えることもあったが、あの辺にも同窓の偉いのが重要ポストに納まっていたりして、何をするにも方嚮が解らず、自信を持てず、いざとなると才能の乏しさに怯けるのであった。四十過ぎての蹉跌を挽回することは、事実そうたやすいことでもなかったし、双鬢に白いものがちかちかするこの年になっては、どこへ行っても使ってくれ手はなかった。
二人が席を立つと、後連がもうやって来て、傍へ寄って来たが、それは中産階級らしい一組の母と娘で、健康そのもののような逞しい肉体をもった十六七の娘は、無造作な洋装で、買物のボール箱をもっていた。