Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
十
」
そう言って笑いながら注いで呑んだ。
「だけどね晴さん、率直に言っておくけれど、気を悪くしないでくれたまえ。」
銀子は勝手がわからず、
「何さ。」
と相手を見た。
「君も若ーさんという人があるんだろう。」
「そうよ。」
「だからせっかくだけれど、己はそういうことは大嫌いさ。ただ友達として清く附き合う分にはかまわないと思う。」
「どうでもいいのよ、私だって。」
十
春の七草に、若林は銀子のペトロンとして春よしの芸者全部に昼間の三時から約束をつけ、藤川へ呼んだ。年増の福太郎と春次は銀子と連れ立ち、出の着附けで相撲の娘の小福を初め三人のお酌と、相前後して座敷に現われ、よそ座敷に約束のある芸者も、やがて屠蘇機嫌で次ぎ次ぎに揃い、揃ったかと思うと、屠蘇を祝い御祝儀をもらって後口へ廻るものもあった。姐さん株の福太郎と春次が長唄の地方でお酌が老松を踊ると、今度は小稲が同じ地方で清元の春景色を踊るのだったが、酒がまわり席のやや紊れた時分になって、自称女子大出の染福が、へべれけになって現われ、初めから計画的に酒を呷って来たものらしく、いきなり若林の傍に坐っている銀子の晴子に絡んで来るのだった。