Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
二十七
、話がはずみ馴染の芸者をかけたりして、独りで朗らかになっていた。引き続き四面楚歌の庸三は、若い愛人を失った年寄同志のうえに、何か悪いデマが飛びそうなので、いつも礼儀を正しく警戒したが、その晩も猪口を口にする気にもならず、間もなく三人でそこを引き揚げた。
「どう、これから銀座へ出て、耳飾りでも買って贈ったら。」
「それもそうね。」
小夜子もそれにすることにした。
すると翌日の新聞に、果して雪枝と庸三のゴシップが載っていて、さっそく正規の取消を申し込んでやると、こんどは二人の写真まで載せて、意地わるく皮肉られてしまった。庸三は胸が悪くなり、腐ってしまった。
二十七
二月になって、葉子からまた電話がかかった。
庸三の朧ろげな推量では、雪枝と清川との関係は多分絶えたようで絶えず、それに悩んで遠い処へ引っ越すことに葉子の主張が通って、田端へ移ったからには、新生活もどんなにか幸福であろう。相手が相手だから、こんどこそ巧く行くに違いない――彼は一応そう信じたが、信じたくもなかった。浮気の虫も巣喰っていたが、それも彼女の涯しない寂しさを充たすに足りなかった。
電話へ出てみるとやはり葉子の声であった。