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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

六

均平はふと妻の死の前後のことが憶い出され、小学校へ上がったばかりの加世子が、帰って来ると時々それとなし母を捜して歩き、来る女ごとに手を伸ばし、抱きつきたがる可憐しい姿が浮かんで来て、思わず目が熱くなって来た。

六

翌朝は晴天であった。

均平はラジオ体操で目がさめ、階下へおりて指先の凍るような井戸の水で顔を洗い、上半身をも拭いて崖はずれの処に開けた畑の小逕や建物のまわりを歩いていた。軽い朝風の膚ざわりは爽快だったが、太陽の光熱は強く、高原の夏らしい感じだった。そうしているうちに加世子も女中と一緒に、タオルや石鹸をもって降りて来た。

二階へ上がると部屋もざっと掃除がすんでおり、均平は縁側のぼろ椅子に腰かけて、目睫の間に迫る雨後の山の翠微を眺めていた。寝しなに胸を圧していたあの感傷も迹なく消えた。

不思議なことに今朝になってみると、田舎の兄のやっている陶器会社が破産状態に陥った時、相談を持ちかけられ、郁子を説得したうえ、万に近い金をようやく融通して急場を救ったことがあり、後に紛紜が起きて困ったことがあったが、結局解決がつかずじまいであったことが、今朝の清澄な心にふと思い出された。