Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
二十一
葉子の目に、そこに憎みきれない狡獪い老人が、いくらか照れかくしに咽喉を撫ぜ撫ぜ坐っていた。
二十一
じりじり暑い西日が、庭木の隙や葦簾を洩れて、西だけしかあいていない陰鬱な彼の書斎の畳に這い拡がるなかにいて、庸三はしばらく葉子と離れて暮らしていた。社会面記事から惹き起こされた二人の醜悪な心情から、その後もいろいろ傍系的な不快な事件がおこって、ある時などは二人立ちあがって、部屋中押しつ押されつして争ったこともあった。どんな場合にも彼は腕力は嫌いであったし、剛情とか片意地とかいった、相手を苛立たせるような、女性にありがちな気質上の欠点をもたない葉子のことなので、油紙に火がついたように捲し立てるとか、あまりにも人を侮辱したような行動に出でない限り立ちあがって争うなぞということは、自発的にはできるはずもなかったが、揉みくしゃにでもしてしまわなければ鬱憤が晴れないように、ヒステリックに喰ってかかられる場合には、その二つの腕を抑えて、じりじり壁に押しつけるくらいのことは仕方がなかったし、膝相撲でも取るように、組んず釈れつして畳のうえをにじり這うこともやむをえなかった。