Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
十五
「まあ、おめずらしい。どうなすったかと、今も噂していたところですよ。」
お神はお愛想を言ったが、倉持は何となく浮かぬ顔で、もぞもぞしていたが、よく見ると彼は駱駝のマントの下に、黒紋附の羽織を着て、白い大きな帯紐を垂らしていた。
十五
河の氷がようやく崩れはじめ、大洋の果てに薄紫の濛靄が煙るころ、銀子はよその家の妓三四人と、廻船問屋筋の旦那衆につれられて、塩釜へ参詣したことがあった。塩釜は安産と戦捷の神といわれ、お守りを受けに往くところだが、銀子たちには土地の民謡「はっとせい節」を郷土色そのままに、土地の芸者から受け容れるという目当てもあった。松島は主人夫婦にもつれられ、客とも遠出をして、船のなかへ行火を入れ、酒や麦酒を持ちこんで、島々の間を漕ぎまわり、最近心中のあったという幾丈かの深い底まで見えるような、碧い水を覗いたのだったが、塩釜までのしたのは初めてであった。それも銀子が一座する芸者のなかに、塩釜育ちの妓があり、「はっとせい節」の話が出て故郷を思い出し、客に強請んだからであった。
塩釜街道に白菊うえて
何をきくきくありゃ便りきく
唄はどこも稚拙な洒落だが、言葉の訛や節の郷土色は、名歌手も及ばないところがあった。