Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

十一

暮の中洲で秘密に逢った銀子と伊沢は、春次が気を利かして通しておいた鍋のものにも手をつけず、やがて待合を出て女橋を渡り、人目をさけて離れたり絡んだり、水天宮の裏通りまで来て、袂を分かったのだったが、例の癲癇もちの稲次の穴埋めに、オーロラの見えるという豊原からやって来た染福は、前身が人の妾であり、棄てられて毒を仰いで死にきれず、蘇生して東京へ出て来たものだったが、気分がお座敷にはまらず、金遣いも荒いところから、借金は殖える一方であり、苦しまぎれの自棄半分に、伊沢にちょっかいを出したものだった。

さんざんに銀子とやり合った果てに、太々しく席を蹴立てて起ち、段梯子をおりる途端に裾が足に絡み、三段目あたりから転落して、そのまま気絶してしまった。

十一

二月の半ば、余寒の風のまだ肌にとげとげしいころ、銀子は姉芸者二人に稲福、小福など四五人と、田所町のメリンスの風呂敷問屋の慰安会にサ―ビスがかりを頼まれ、一日鶴見の花月園へ行ったことがあった。その時分には病院へ担ぎこまれた染福も、酔っていたのがかえって幸いで、思ったほどの怪我でもなく、二週間ばかりで癒ったが、家へ還りにくく、半ば近くになっていた前借を踏んで、どことも知らず姿を消してしまい、新橋から住み替えて来た北海道産の梅千代という妓も、日本橋通りの蝙蝠傘屋に落籍され