Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
十一
わざわざ東京へ寄って、製剤して来たもんだからね。」
「あとで戴くわ。それにそんな良い薬なら、東京の妹にも頒けてやりたいんです。このごろ何だかぶらぶらしているようだから。」
浦上はそれには返辞もしず、部屋をあちこち動いていた。
「しかし貴女も、この商売はいい加減に足を洗ったらどうです。商売している間は、夜更かしはする、酒は呑む、体を壊す一方だからね。」
「…………。」
「僕も写真をやるくらいなら、いっそ東京へ出て、少し資本をかけて場所のいいところで開業してみたいと思っておるんだが、そうすれば親父に相談して、貴女の借金も払うから、ぜひ結婚してもらいたいもんだね。貴女はどう思うかね。」
「そうね。そんなこと考えたこともないけれど……。」
「やっぱり倉持がいるから駄目かね。」
浦上は溜息を吐き、
「しかしあそこには渡さんという、喧しい後見人がいるがね。」
と呟き、首を傾げていた。
「いいわよ、そんなこと。」
銀子は虫酸が走るようで、そんな顔をしていた。
十一
十月の末、控訴院から大審院まで持って行った猪野の詐欺、横領に関する事件がいよいよ第二審通り決定した旨の電報が入り、渡弁護士の斡旋によって、弁護士の権威五人もの弁論を煩わしたこの係争も、猪野の犯した悪事の割には、事実刑も軽くて済むのにかかわらず、寿々廼家夫婦は今更のように力を