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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

落とした。猪野は今一年有余の体刑を被ても、襤褸を出さないだけの綿密な仕組の下に、生涯裕福に暮らせるだけの用意をしたのであり、体刑は覚悟の前であったはずだが、金を隠匿しない反証にもと、退かして芸者屋を出させ、抱えも二人までおいてやった女を、たとい二年たらずの刑期の間でも、置いて行くのは心残りであった。

猪野はこの町の閑静な住宅地に三年ほど前に新築した本宅があり、仙台の遊廓で内所の裕かなある妓楼の娘と正式に結婚してから、すでに久しい年月を経ていたが、猪野が寿々廼家の分けの芸者であった竹寿々の面倒を見ることになり、ほどなく詐欺事件で未決へ入っている間に、妻は有り金を浚って猪野の下番頭であった情夫と家出してしまい、今は老母と傭人と二人で、寂しく暮らしていた。猪野はこの事件のあいだ弁護士と重要な協議でもする場合に、お竹をも呼び寄せ、本宅を使うだけで、不断は二人で松島とか、金華山とかへ遊びに出かけるか、土地の料亭で呑むか、家で呑むかして、苦悶を酒に紛らせているのだったが、お竹の芸者時代の馴染客のことでは、銀子たちも途方に暮れるほどの喧嘩がはじまり、宥め役にしばしば本家のお神が駈けつけたのだった。