Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
十二
」
「何だか解んないけど、そんなもの持ち出しても仕様がないでしょう。」
十二
倉持が株券の詰まった鞄をひっさげて、そのまま帰ってから三四日も間をおいて、銀子はまた同じ家から早い口がかかり、行ってみると、女中が段梯子の上がり口へ来て、そっと拇指を出して見せ、倉持の母が逢って話をしてみたいと言って、待っていると言うのだった。倉持もせっかく株券を持ち出して来ても、それが売れない山と同じに先を越されて罐詰になっており、下手をすれば親類合議で準禁治産という手もあり、妄動して叔父たちの係蹄にかからないとも限らないのであった。事情を知っている待合のお神にも、それとなく忠告され、彼もようやく考え直し、株券を元の金庫へ納めたのだったが、そのことがあってから、母もにわかにあわて出し、解決に乗り出したものだった。
ちょうどこの花柳界に、煙草屋があり、文房具なども商うかたわら、見番の真似事のような事務を執っている老人夫婦があり、それが倉持家の乾分であったところから、母はその夫婦に就いて、子息の相手の芸者の名や人柄を調べ、行きつけの家も分かったのであったが、銀子はどんな話かと思って逢ってみると、生家も倉持とほぼ同格程度の門地で、仙台の女学校出だと聞いていた通り、ひどく人触りの柔らかな、思いやりのふかいうちに門閥とか家とかいう観念の強