Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
温かい時は、春よしの子供を呼んで、歌沢や常磐津の咽喉を聞かせたりもした。坊主の娘だという一番年嵩の、顔は恐いが新内は名取で、歌沢と常磐津も自慢の福太郎が、そういう時きっと呼ばれて、三味線を弾くのだった。
この男が来ていると、銀子は口がかかっても座敷へ行くのがひどく億劫であったり、座敷にいても今夜あたり来ていそうな気がして、落ち着かなかったりするのだったが、三四人輪を作ってトランプ遊びをしている時でも、伊沢と膝を並べて坐りでもすると、何となしぽっとした逆上気味になり、自分の気持を婉曲に表現することもできず、品よく凭れかかる術も知らないだけに、一層牴牾しさを感ずるのだった。
「晴さん、貴女伊ーさんに岡惚れしてるんだろう。」
春次は銀子と風呂からの帰り路、蜜豆をおごりながら言うのだった。
「あら姐さん……。」
銀子は思わずぽっとなった。
「判ってますよ。――だっていいじゃないか。若ーさんはあんなお人よしで独りでよがっているんだし、たまに逢うくらい何でもありゃしない。」
春次は唆のかした。
「待っといで、私がそのうち巧く首尾してあげるから。傍で見ていても、じれったくって仕様がない。