Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
ある晩偶然に一色と葉子が彼の書斎で、初めて顔を合わした。一色はにわかに妻を失って途方にくれている庸三のところへ、葬儀の費用として、大枚の札束を懐ろにして来て、「どうぞこれをおつかいなすって」と事もなげな調子で、そっと襖の蔭で手渡しするようなふうの男だったので、たちどころに数十万円の資産を亡くしてしまったくらいなので、庸三がどうかと思いながら葉子の原稿の話をすると、言い出した彼が危ぶんでいるにもかかわらず、二つ返辞で即座に引き受けたものだった。
「拝見したうえ何とかしましょう。さっそく原稿をよこして下さい。」
ちょうど卓を囲んで、庸三夫婦と一色と葉子とが、顔を突きあわせている時であったが、間もなく一色と葉子が一緒に暇を告げた。
「あの二人はどうかなりそうだね。」
「かも知れませんね。」
後で庸三はそんな気がして、加世子と話したのであったが、そのころ葉子はすでに良人や子供と別れ田端の家を引き払って、牛込で素人家の二階に間借りすることになっていた。美容術を教わりに来ていた彼女の妹も、彼女たちの兄が学生時代に世話になっていたというその家に同棲していた。葉子は一色の来ない時々、相変らずそこからカフエに通っているものらしかったが、それが一色の気に入らず、どうかすると妹が彼女を迎いに行ったりしたものだが、浮気な彼女の目には