Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
彼女は七年間同棲していた独逸のある貴族の屋敷を出て、最近芝に世帯をもって何を初めようかと思案していた。
庸三は毛のもじゃもじゃした細い腕、指に光っている素晴らしいダイヤ、大きな珊瑚、真珠など、こてこて箝めた指環、だらしなく締めた派手な帯揚げの中から覗いている、長い火箸のような金庫の二本の鍵、男持の大振りな蟇口――しかし飯を食べながら話していると、次第に昔、左褄を取っていたらしい面影も浮かんで来て、何とも不思議な存在であることに気がついたのであった。彼女は庸三の年齢や家庭の事情などを訊いたが、自身では「そうですね、いろんなこともありましたけれど、とにかくライオンが初めて出来た時、募集に応じて女給になったのが振出しですね」と目を天井へやったきり、何も話さなかった。
田舎ものの庸三はいつかそこで、人を新橋駅に見送った帰りに、妻や子供や親類の暁星の先生などと一緒に、白と桃色のシャベットを食べて、何円か取られて驚いた覚えのある初期のライオンを思い出した。
「あれ三十五くらいでしょう。今五百円のペトロンがつきかけてるそうですが、多分蹴るでしょう。」
帰る途中弁護士は話していた。