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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「少しうとうとしたようだが……よく帰って来れたね。」

庸三は白粉剥げのした彼女の顔を見ながら、

「それでどうしたの。」

「その話を持ち出したのよ。すると一色さん何のかのと感情が荒びて来て仕方がないものですから、私早く切り揚げようと思って、つい……。」

「君風呂があったら入ってくれない?」

「ええ、入って来るわ。」

葉子は追い立てられるように下へおりて行った。

四

ある時庸三が庭へ降りて、そろそろ青みがかって来た叡山苔を殖やすために、シャベルをもって砂を配合した土に、それを植えつけていると、葉子は黝ずんだ碧と紫の鱗型の銘仙の不断着にいつもの横縞の羽織を着て、大きな樹一杯に咲きみちた白木蓮の花影で二三日にわかに明るくなった縁側にいた。葉子が松川と一緒に子供をつれて、嵩高な原稿を持ち込んで来たのが、ちょうどこの木蓮の花盛りだったので、彼女はその季節が来ると、それを懐かしく思い出すものらしかったが、ちょうどその時、葉子に来客があって、それが郷里の代議士秋本であるというので、庸三はシャベルを棄てて、縁側へ上がって来た。郷里の素封家である秋本は、トルストイやガンジーの崇拝者で、何か文学に関する著述もあったが、もともと歌人で、数ある葉子の歌をいつでも出版できるように整理してくれたのも彼であった。