Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
葉子たちの落ち着いたのは、狭い平屋であったが、南に坪庭もあって、明るい感じの造作であった。花物を置くによろしい肱掛窓もあって、白いカーテンにいつも風が戦いでいた。それに葉子は部屋を楽しくする術を知っていて、文学少女らしい好みで、籐椅子を縁側においてみたり、清楚なシェドウのスタンドを机にすえたりして、色チョオク画のように、そこいらを変化させるのに器用であった。
しかし彼女は顔色もまだ蒼白く、長く坐っているのにも堪えられなかった。創口がまだ完全に癒えていないので、薬やピンセットやガアゼが必要であった。
「先生、すみませんが、鏡じゃとてもやりにくいのよ、ガアゼ取り替えて下さらない。」
「ああいいとも。」
庸三はそう言って、縁側の明るいところで、座蒲団を当てがって、仰向きになっている彼女の創口を覗いて見た。薄紫色に大体は癒着しているように見えながら、探りを入れたら、深く入りそうに思える穴もあって、そこから淋巴液のようなものが入染んでいた。庸三は言わるるままに、アルコオルで消毒したピンセットでそっと拭いて、ガアゼを当てるとともに、落ちないように、細長く切ったピックで止めた。