Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

ピンセットの先きが微かにでも触ると、「おお痛い!」と叫ぶのだった。

「どうもありがとう。」

葉子は起きかえるのだったが、来る日も来る日も同じことが繰り返されるだけで、はかばかしく行かなかった。

庸三は時とすると、奥の部屋で子供たちとも一緒に、窮屈な一つ蚊帳のなかに枕を並べるのだったが、世帯が彼女の世帯で、その上子供や女中もいるので、気持に落着きもなかったし、葉子も時には闖入者に対するような目を向けるので、和やかというわけには行かなかった。彼は少し腹立ち気味で、ふいと出て来るのであったが、古い自分の書斎も心持を落ち着かせてはくれなかった。ある時などは引き返して行って、蚊帳のなかにいる彼女の白い頬を引っぱたいて来ることすらあった。葉子はぽっかり彼を見詰めたきり呆れた顔をしていた。

それに葉子はいつも家にいるわけではなく、庸三が行ってみると、女中が一人留守居をしていることもあれば、戸が閉まっていることもあった。

庸三が自動車で買いものをして歩く彼女を、膝のうえに載せて、よく銀座や神田あたりへ出たのも、そのころであった。柱時計を買うとか、指環を作りかえるとか、または化粧品を買うとか。