Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
」
何かごちゃごちゃ装飾の多い彼女の小ぢんまりした部屋で、気のきいた晩餐の御馳走になりながら、庸三は彼女の芸術的雰囲気と、北の人らしい情熱のこもった言葉を聴いていたが、芸で立つ人の心掛けや精力も並々のものではなかった。話がかつての彼女の恋愛に及んで来ると、清しい目ににわかに情熱が溢れて来た。
しかし彼女は独りではなかった。庸三が前からその名を耳にしていた若い文学者の清川がそこにいて、下町の若旦那らしい柄の彼を、初め雪枝が紹介した時に、庸三はそれが彼女の若い愛人だと気づきながら、刹那に双方の組合せがちょっと気になって、何か仄かな不安を感ずるのであった。
「これこそ葉子に似合いだ。」
庸三はそう思った。
葉子が病室で着るつもりで作った、黝ずんだ赤と紺との荒い棒縞の袍も、不断着ているので少し汚れが見えて来たが、十一月もすでに半ば以上を過ぎても、彼女はまだ二階の奥の間に寝たり起きたりしていた。そのころになると、ガアゼの詰めかえも及ばなくなって、どうかすると彼女は痛さを紛らせるために、断髪の頭を振り立て、じだんだ踏んで部屋中跳びあるいた。彼女は間に合わせの塗り薬を用いて、いくらか痛みを緩和していた。