Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
時とすると、葉子は田舎からとどいた金を帯の間へ入れて、病室のベッドでかけるような、軽くて暖かい毛布団を買うために、庸三の膝のうえに痛い体を載せて、銀座まで自動車を駆りなどした。彼女の頸にした白狐の毛皮の毛から、感じの柔軟な暖かさが彼の頬にも触れた。この毛皮を首にしていれば、絶対に風邪はひきッこない。――彼はそう思いながら、痩せっぽちの腿の痛さを怺えなければならなかった。またある時は、内弟子に預けてある葉子の愛嬢の瑠美子も出るという、年末の総ざらいの舞踊会が、雪枝の家で催されるというので、葉子は庸三にも来るようにと誘うので、あまり気の進まなかった庸三は、しばらく思案した果てに、やや遅れて青山の師匠の家を訪れたが、庸三が予覚していたとおり、彼の来たことを妙に憂鬱に感じているらしい彼女を、群衆のなかに発見した。庸三は舞台の正面の、少し後ろの方に坐って、童謡を踊る愛らしい少女たちを見ていたが、後ろの隅の方に、舞踊にも造詣のふかい師匠の若い愛人の顔も見えた。葉子は始終紋附きの黒い羽織を着て、思いありげな目を伏せ、庸三の少し後ろの方に慎ましく坐っていたが、そうした明るい集りのなかで見ると、最近まためっきり顔や姿の窶れて来たのが際立って見えた。