Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
この道を奥の方へと荷馬車の通うのにも出逢ったが、人里がありそうにも思えない荒寥たる感じで、陰鬱な樹木の姿も粗野であった。
途中に、それでも少し小高い処に、ペンキ塗りの新築のかなり大きな別荘があり、レコオドの音が朗らかに聞こえ、製氷会社と土地会社を兼ねた事務所があったりした。
「お兄さま感謝していましたわ。」
加世子は父と並んで歩き出した時言った。
「感謝!」
「それからお兄さまこのごろになって、お父さまの心持がやっと解るような気がすると言っていましたけれど。」
「可哀そうに病気して気が弱くなったんだろう。」
「それもあるでしょうけれど、あれで随分しっかりしたところもあるわ。」
「何しろあの時分は、お母さんが少し子供に甘くしすぎたんだよ。己は子供の時から貧乏に育って、少しいじけていたもんだから、お母さんのやることが気に入らなかった。学生のくせに毛糸のジャケツを買ったり、ゴムの雨靴を買ったりさ。己は下駄箱のなかで、それを見つけてかっとなって引き裂いてしまったものだよ。あの時分は己も頭脳が古かったし、今から思うと頑固すぎたと思うよ。明治時代に書生生活をしたものには、どうかするとそういうところがあったよ。