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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

「けれどK――さんそう言ってたわ。先生はいい人だから大事になさいって。私が逗子へ行くのも、この事件を清算するのにいいからなのよ。」

庸三は黙って聴いていたが、遠いところに離れていれば、博士に遭う機会が自由に作れるのだという気もした。博士の方から手を引こうとしていることは解るが、葉子のあれほどの熱情が、水をかけた火のように消えるものかどうか、疑わしかった。

「私K――さんにお礼しようと思うけれど、何がいい?」

そんな関係にまで進んでいてそれにも及ばないという気がしたが、そうするといよいよ清算かなとも考えた。

「およそどのくらいのものさ。」

「あまり吝なこともできないでしょう。葉捲どう?」

「よかろう。」

「三十円くらいで、相当なものある?」

「僕は知らんけど……。」

葉子が逗子へ家を捜しに行ったのは、それから二三日してからであったが、そのころには奉書二枚に包んで水引をかけた葉捲の函も買い入れて、庸三の部屋へ来て見せたりしていた。

ちょうどそれと同時に、下宿の部屋の窓先きに、丸い鳥籠がかかっていて、静かな朝などに愛らしいカナリアの啼き声が、彼の部屋へも聞こえて来たが、それが葉子の引越しを祝って、彼女の弟が餞別にくれたものだというのは嘘で、実はK――博士の贈りものであったことを、迂濶な庸三も大分後になってやっと感づいて、