Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「もう遅いから少しお寝みになって……。」
庸三は肱を枕にして横になったが、葉子も蒲団のうえに寝そべった。
「あの人体が大きいのよ。そのくせ※弱いらしいの。胸の病気もあるようなのよ。氷で冷やしたり何かしていたのよ。」
葉子は哀しげに言った。
ぼそぼそ話しているうちに、いつか障子が白んで来た。
「もう一時間もしたら、あの人のところへ使いをやりますから、一度逢って下さらない。お願いしますわ。」
「あの男から何か話させようとでも言うのか。」
庸三はそうも思ったが、やがて葉子は車の丁場で、園田のところへ使いを頼むつもりで、出て行ったあとで、庸三はあらゆる理由を抜きにしても、この場合葉子の恋愛の相手としての子供の友達に顔を合わせたくなかったので、そっとそこをぬけてホテルへ引き揚げた。そして庸太郎たちを促して、朝の食事も取らずにそこを立ってしまった。
庸三はにわかに火が消えたような寂しさを感じた。書斎に独りいる時もそうだったが、小夜子の家で遊んでいる時にも、何か気持の空隙を感じないわけには行かなかった。小夜子同伴で銀座へ出たり、足休みにバアやカフエへ入ったりして、動けば動くほど心の落着きが失われるのだった。