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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

ちょうど遊びに来ていた小夜子の帰りがけで、彼女が門を出たとおもう時分に、春日が玄関へ入って来た。

二人はいつもの心易立てでも行かなかった。何か重苦しい雰囲気のなかに向かい合っていたが、春日は切り出した。

「実は梢さんのことですが……。」

庸三の認識不足から、二人のあいだに大きな錯誤のあること、彼女自身の立場のますます苦しいことを、葉子が洗い浚い一夜泣きながら訴えたことが、春日の容子でも大体庸三に想像できた。

「どうです、先生もお困りでしょうから、ここいらで一つ綺麗に清算なすっちゃ。それに梢さんちっとも先生を愛しちゃいないようですよ。」

春日は率直に言うのであったが、約束の金のことも出た。

「それも先生の口から出たことですって? 梢さんはどうしても貰いたいと言ってるんですが――。」

「いや、僕も実は後をいさぎよくしたいと思うから。」

「そうですね。」

一両日うちに金を都合するように約束して、じきに二人は別れたのだったが、するとその翌日の晩、庸三が小夜子の家の、いつものぴたぴた水音のする下の小間にいると、思いがけなく大衆作家の神山と春日とがやって来たというので、二階座敷へ行ってみた。