Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「写真はお父さんが、束にして天井裏かどこかへ仕舞ったのさ。」
小菊は松島の死んだ妻で、品子姐さんの姉の芸名だが、お篠おばあさんは、そう言いながら、仏壇の納まっている戸棚の天井うらから、半紙に裹んだものを取り出して来た。
銀子があけてみると、出の着物で島田の半身像のほかに仮装が幾枚かあり、手甲甲掛けの花売娘であったり、どんどろ大師のお弓であったりしたが、お篠お婆さんに似て小股のきりりとした優形であった。赤坂時代のだという、肉づきのややふっくりしたのなぞもあった。
均平もちょっと手に取ってみたが、どこか大正の初期らしい古風な感じであった。
この小菊と松島との情痴の物語は、単に情痴といって嗤ってしまえないような、人間愛慾の葛藤で、それが娼婦型でないにしても、とかく二つ三つの人情にほだされやすいこの稼業の女と、それを愛人にもった男との陥りやすい悲劇でもあろう。
均平は芝居や小説にある花柳情緒の感傷的な甘やかしさ美しさに触れるには、情感も疾うの昔しに乾ききり、むしろ生まれつき醜悪な心情の持主でさえあったが、二人の愛慾の悩みは、あながちよそごとのようにも思えなかった。