Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

十

常子は夜が早い方で、八時ごろに引き揚げて行った。

三日ばかり松島は家をあけ、四日日の午後ふらりと帰って来たが、電気のつく時分になるとまた出かけるのだったが、そうしているうちに、三月四月と時は流れて、小菊も土地のやり口が呑み込め、お客の馴染もできて、出先の顔も立てなければならないはめにも陥り、わざとコップ酒など引っかけ、鬢の毛も紊れたままに、ふらふらして夜おそく帰って来ることもあった。

神経的な松島の目は鋭く働きはじめた。

「自前の芸者が、一時二時まで何をしているんだ。」

上がるとすぐ松島は呶鳴る。小菊は誰某と一座で、客は呑み助で夜明かしで呑もうというのを、やっと脱けて来たと、少し怪しい呂律で弁解するのだったが、それはそんなこともあり、そうでない時もあった。

松島は出て行く時の、帯の模様の寸法にまで気をつけるのだったが、帰る時それがずれているか否かはちょっと見分けもつきかねるのだった。

十

何とか言っているうちに、春を迎えたかと思う間もなく盆がやって来、月が替わるごとの移りかえが十二回重なればもう暮で、四五年の月日がたつうちに、この松廼家も目にみえて伸び出して来た。