Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
素描
一
「姐さんどういう気持でしょうかね。」
そういう陰気くさいことに、あまり興味のもてず、簡単に片附けてしもう銀子も、小菊の心理は測りかねた。
「さあね。やっぱり芝居にあるような義理人情に追いつめられたんじゃないか。」
「そうね。」
「とにかく松島を愛していたんだろう。よく一人で火鉢の灰なんか火箸で弄りながら、考えこんでいたというから。」
「でもいくらか面当てもあったでしょう。」
「それなら生きていて何かやるよ。」
「そういえば父さんも、時々姐さんの幻影を見たらしいわ。死ぬ間際にも、お蝶がつれに来たって、譫言を言っていたらしいから、父さんも姐さんには惚れていたんだから、まんざら放蕩親爺でもなかったわけね。初めて真実にぶつかったとでも言うんでしょうよ。」
「そうかも知れない。」
「父さんもお金がなかったからだと言う人もあるけれど、不断注意ぶかいくせに、入院が手遅れになったのも、死ぬことを考えていたからじゃないの。」
素描
一
「私はこの父さんと、一度きり大衝突をしたことがあるの。」
ある日銀子は、松島の噂が出た時言い出した。
それは第一期のことだったが、この世界もようやく活気づこうとする秋のある日のことで、彼女はその日も仲通りの銭湯から帰って、つかつかと家の前まで来ると、電話があったらしく、マダムの常子が応対していた。