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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

十五六から二十、二十四五の男女もあった。彼らは寄り寄り秘密に相語らい、監獄部屋でも脱出するような気持で、昼は人気のない野山に寝て、夜になるのを待って道のない難路を歩み、五昼夜もかかって三国峠を越え、ようやく上州路へ辿りつくのだったが、時には暗夜に樵夫の野宿しているのに出逢い、年少の彼女は胸を戦かせた。案内者は味噌の入った握飯を、行く先々で用意し、餓えを凌ぐのだったが、そこまで来るともう安心で、前橋へ入って来たところで、彼は各自の希望を訊き、ここに留まるものは、この町の桂庵に引き渡し、東京を希望のものは、また上野まで連れて行くことになっていた。

銀子の母は、手堅い家で給銀の出る処という希望だったので、一軒の真綿屋へ落ち着くことになり、やっとほっとした。気強く生まれついていたので、なまじい互いに知り合った村で、惨めな姿を見られているよりも、見ず知らずの他国の方がずっと自由であり、初めて働き効のあるような気がするのであった。

真綿は繭を曹達でくたくた煮て緒を撈り、水に晒して蛹を取り棄てたものを、板に熨して拡げるのだったが、彼女は唄一つ歌わず青春の甘い夢もなく、脇目もふらず働いているうちに、野山に幾度かの春が来たり秋がおとずれて、やがて二十三にもなった。