Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
女で? 異ってるね。」
「東京に二人いるわ。」
「お父さんの怪我は?」
「馬から落ちたの。お父さんは馬マニヤなの。いい種馬にかけて、仔馬から育てて競馬に出そうというんだけれど、一度も成功したことないわ。何しろ子供はどうなっても馬の方が可愛いんだそうだから。」
「靴が本職で馬が道楽か。けどあまり親に注ぎこむのも考えものだね。」
そのうち綿糸堀へ来たので、銀子はおりてしばらく窓際に立っていた。このころ銀子の家族は柳原からここへ移り、店も手狭に寂しくなっていた。しかし製品は体裁よりも丈夫一方で、この界隈の工場から、小松川、市川あたりへかけての旦那衆には、親爺の靴に限るという向きもあって、註文は多いのであった。靴紐や靴墨、刷毛が店頭の前通りに駢び、棚に製品がぱらりと飾ってあったが、父親はまだ繃帯も取れず、土間の仕事場で靴の底をつけていた。
「もういいの。」
「ああお前か。まだよかないけれど、註文の間に合わそうと思って、今日初めてやりかけの仕事にかかってみたんだが、少し詰めてやるてえと、頭がずきんずきん痛むんでかなわねえ。」
内を覗いてみると、あいにく誰もいなかった。