Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
銀子も所在がないので、たまには客につれられ、汚い桝のなかで行火に蒲団をかけ、煎餅や菓子を食べながら、冬の半夜を過ごすこともあったが、舞台の道化にげらげら笑い興ずる観衆の中にあって、銀子はふと他国ものの寂しさに襲われたりした。
分寿々廼家というその芸者屋では、銀子より一足先に来た横浜ものの小寿々という妓のほかに、仕込みが一人、ほかに内箱の婆やが一人いて、台所から抱えの取締り一切を委ねられていたが、もと台湾の巡査に片附いて、長く台北で暮らし、良人が死んでから二人の子供をつれて、郷里へ帰り、子供を育てるために寿々廼家で働いているのだったが、飯も炊けば芸者の見張りもし、箱をもってお座敷へも上がって行き、そのたびに銀子が気を利かし二円、三円、時には五円も祝儀をくれるのだったが、その当座はぺこぺこしていても鼻薬が利かなくなると、お世辞気のない新妓の銀子に辛く当たり、仮借しなかった。銀子も体に隙がないので、拭き掃除に追い立てられてばかりもいず、夜床についてから読書に耽ったりして、寝坊をすることもあり、時には煩さがって、わざと髪結いさんの家で、雑誌を読みながら時間を潰したりした。