Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
、自分では腕に綯りをかけている気であった。倉持がくれた指環をとにかく預かることにして、紙にくるんでそっと鏡台の抽斗に仕舞っておいたが、そのころからまた一層親しみが加わり、彼は帰ることを忘れたように、四日も五日も引っかかっていることがあり、寿々廼家のお神も少し薬が利きすぎたような感じで、いくらか銀子を牽制気味の態度を取るのであった。お神も猪野の事件で特別骨を折ってもらっている、渡弁護士への義理もあり、一年も稼がさないうちに、たとい前借を払うにしても、銀子を倉持に浚って行かれるのも口惜しいので、とかくほかの座敷を投げやりにして、倉持に夢中になっている銀子に、水を差そうとするのであった。腕に綯りをかけるといっても、銀子は倉持を搾る気はなく、お神が決めたもの以上に強請るのでもなく、未婚の男でこれと思うようなものも、めったにないので、千葉で挫折った結婚生活への憧憬が、倉持の純情を対象として、一本気な彼女の心に現実化されようとしているのだった。
「当分のあいだ、どこか一軒君に家をもたせて、僕が時々通って来る。それだったら母もきっと承認してくれようし、周囲の人もだんだん君を認めて来るだろうと思う。