Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
銀子がたまに見番の札を卸し、用事をつけて錦糸堀へやって来ると、彼女は一丁目ばかり手前の焼鳥屋の暖簾のうちに立っており、銀子がよく似た姿だと思って、近づいて声をかけると、時子はその声が懐かしく、急いで暖簾から出て来るのだった。
「時ちゃん、焼鳥の屋台なんか入るの。」
「焼鳥は栄養があるでしょう。だから私大好き。」
躯ののんびりした彼女は銀子よりも姿がよく、人目につくので、嫁に望む家も二三あるのだったが、そうした時に病気が出たのであった。
彼女は自分よりも銀子に脈のあることを悦び、ある時は、目のとどく処に花を生けておいたり、人形を飾ってくれたりしていたが、どうせ保たないのは既定の事実なので、したいようにさせておいた。やがて彼女の死期が迫り、梅村医師がはっきり予言した通り、月の十三日に短いその生涯に終りが来た。
「私はこれから大磯まで行って来ますが、帰りは十時ごろになるでしょう。さあ臨終に間に合うかどうかな。」
医師はそう言って帰ったのだったが、その予言にたがわず、時子の死は切迫して来た。学校の成績がいつも優等であった彼女は、最後の呼吸が絶えるまで頭脳が明晰で、刻々迫る死期を自覚していた。