Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
芝居よりかお茶でも呑もうというので、喫茶店へ入っていたのだことを、葉子はそっと告げた。
ある時も、彼女はパリへ立つ友人を見送る子供と三四人の同窓と、外国航路の船を見いかたがた横浜へ行こうとして、庸三の許しを乞うた。
「行ってもいい?」
庸三は危ぶんだ。
「さあね、君が行きたいなら。」
「だからお訊きしたいのよ。先生がいけないというなら断わるわ。」
「僕は何ともいうわけにいかない。」
「じゃ断わるわ。」
「断わる必要はない。君が行きたいんだったら。」
その日が来たところで、結局葉子は子供たちと同行した。ちょうど庸三は用達しに外出していたが、夜帰ってみると、彼女は教養ある青年たちのナイトぶりに感激したような口吻を洩らしていた。そのころ彼らもだろうが、彼の子供はボオドレイルの悪魔主義や、コクトオ一派の超現実主義を尊崇していた。そこから出て来る耳新しい文学論は、葉子にも刺戟があった。
「いる、いる!」
窓から顔を出している瑠美子が目の前へ来た時、子供は頬笑ましげに叫んだのだったが、庸三は何か冒険に狩り立てられるような不安を抱いた。心は鎖されていたが、しかしそれで葉子の落着きも出来そうに思えた。