Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
しかし小夜子は今そんなことを初対面の彼に、打ち明けるほど不用意ではなかった。クルベーとの七年間の花々しい同棲生活については、彼女はその後折にふれて口の端へ出すこともあったし、一番彼女を愛しもし、甘やかしもしてくれたのは何といってもその独逸の貴族だったことも、時々憶い出すものらしかったが、今は彼女もその愛の囚に似た生活から脱れ出た悦びで一杯であった。
「貴女の過去には随分いろいろのことがあったらしいね。」
「私?」
「新橋にいたことはないんか。」
「いました。あの時分文芸倶楽部に花柳界の人の写真がよく出たでしょう。私のも大きく出ましたわ。――けどどうしてです。」
「何だか見たような気がするんだ。いつか新橋から汽車に乗った時ね、クションに坐りこんで、しきりに刺繍をやっている芸者が三人いたことがあるんだ。その一人に君が似ているんだ。まだ若い時分……。」
「刺繍もやったことはありますけれど……。何せ、私のいた家の姐さんという人が、大変な人で、外国人の遺産が手に入って、すっかり財産家になってしまったんです。お正月のお座敷へ行くのに、正物の小判や一朱金二朱金の裾模様を着たというんでしたわ。