Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
今は別に何てこともないんです。だけど、相手が逃げるとこっちが追っ駈け、こっちが逃げると、先方が追っ駈けて来るといったあんばいで、切れたかと思うと時たってまた繋がったりして……変なものですね。」
小夜子はいつになくしんみりしていた。
「どんな人?」
「それが近頃ずっとよくないんですの。」
庸三は小夜子の好くような男はどんな男かと、それを探りたかったが、彼女はただそう言っただけで、その相手の概念だも与えなかった。しかしそれから大分たってから庸三がある晩茶の間の大振りな紫檀の火鉢の側にいると、その日はひどく客が立てこんで、勝手元も忙しく、間断なく料理屋へ電話をかけたりして、小夜子も不断着のまま、酒の燗をしたり物を運んだりしていたが、ふと玄関の方の襖を開けて袍姿で楊子を啣えながら入って来る男があった。
「ああ、これだな。」
瞬間、庸三の六感が働いたが、それを見ると、いきなり小夜子はにやにやしながら、その男を連れ出してしまった。
それからまた三年も四年も経って、彼は小夜子の二階の彼女の部屋で、その男ともしばしば花を引いたし、庸三の家へも遊びに来るようになったが、そのころには彼もかなりうらぶれた姿になって、見ちがえるほど更けていた。