Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
小夜子は紫檀の卓の前に坐って、雑誌など見ていたが、
「先生に私、何か書いていただきたいんですけれど。」
「書くけれど、僕のじゃ君んとこの部屋にうつらない。そのうち何かもって行って上げるよ。あれじゃ少し酷いからね。追々取り換えるんだね。」
それから彼女の家の建築の話に移って、譲り受けた時の値段や、ある部分は改築のある部分は新築の費用などの話も出た。
庸三は燻しのかかった古い部屋を今更のように見廻した。
「この家もどうかしなきゃ。」
「そうですね、もしお建てになるようでしたら、あの大工にやらしてごらんなさいましよ。あれは広小路の鳥八十お出入りの棟梁ですの。」
大ブルジョアのその鳥料理屋が彼女の彼と、何かの縁辺になることも、その後だんだんに解って来た。
その時であった、凝ったその鳥料理屋の建築や庭を見いかたがた末の娘もつれて、晩飯を食べに行ったのは。美事な孟棕の植込みを遠景にして、庭中に漫々とたたえた水のなかの岩組みに水晶簾の滝がかかっていて、ちょうどそれが薄暮であったので、青々した寒竹の茂みから燈籠の灯に透けて見えるのも涼しげであった。無数の真鯉緋鯉が、ひたひた水の浸して来る手摺の下を苦もなげに游泳していた。