Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
昨日まで時々やって来る少しばかりの苦痛を我慢して、大倉公園へ遊びに入って、色づいた木々のあいだを縫って段々を上ったり、岩組みの白い流れのほとりへ降りてみたり、萩や鶏頭の乱れ咲いている花畑の小径を歩いたり、または町の奥にある不動滝まで歩いて、そこからまた水のしたたる岩壁の裾をめぐって、晴れた秋の空に焚火の煙の靡く、浅い山の姿を懐かしんだりしていた彼女は、飛んでもないところへ連れて来られでもしたように、眉のあいだに皺を寄せて、すっかり機嫌がわるくなってしまった。そしてそうなると、庸三も何か悪いことでもしたようで、ひそかに弱い心臓を痛めるのであった。潤んだ目をして、じっと黙りこくっているとか、または壁の方をむいて少しうとうとしたかと思うと、目を開いたりする彼女の傍にいるのが、次第に憂鬱になって来た。
ある晩方も、庸三はピンセットを使ってから、風呂へ入って、侘しげな電燈の下で食卓の前にすわった。葉子は傍に熱っぽい目をして臥せっていた。頬もぽっと紅くなっていた。こうなると彼女は母親から来るらしく見せて、実は田舎の秋本に送らせた金で、彼と一緒に温泉へ来ていることも忘れて、平気でいるらしい庸三の顔さえ忌々しくなるのではないかと、彼は反射的に感じるのであったが、またそう僻んで考えることもないのだという気もして、女中が目