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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

手紙を出すとなると、あの人が満足するように、いくらか艶っぽいことも書かなきゃならないし、書こうとすれば、先生の目はいつも光っているでしょう。」

そう言って葉子は苦笑していたが、わざと庸三の前で、達筆に書いてみせることもあった。その文句は庸三にも大抵想像がつくので、わざと見ぬふりをしていた。

するとちょうどその日は庸三も、田舎で世話になった葉子の母親に、歌舞伎座を見せることになっていて、無論葉子も同行するはずで、三枚切符を買ってあった。

「先生はお母さんつれて、行っていてちょうだい。私秋本さんのホテルを訪ねて、三十分か――長くとも一時間くらいで切り揚げて行きますから。きっとよ。いいでしょう。」

葉子はあわただしく仕度をすると、そう言って一足先きに家を出た。

庸三と母親は、しばらくすると歌舞伎座の二階棧敷の二つ目に納まっていた。それが鴈治郎一座の芝居で、初めが何か新作物の時代ものに、中が鴈治郎の十八番の大晏寺であった。庸三はそのころまだ歌舞伎劇に多少の愛着をもっていただけに、肝腎の葉子が一緒にいないのが何となく心寂しかった。母親も話はよくする方だったが、彼女の田舎言葉は十のうち九までは通じないのであった。