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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

「いつかも伺ったけれど、小説てそんなにむずかしいもんですの。」

小夜子はこのごろも書いたとみえて、原稿挟みを持ち出して来て、書き散らしの小説を引っくらかえしていたが、庸三はこの女は書く方ではなくて、書かれる方だと思っていたので、

「やっぱり五年十年と年期を入れないことには。何よりも文章から初めなくちゃ。」

と言って笑っていたが、今のように親しくなってみると、変化に富んだ彼女の過去については、何一つ纏まった話の筋に触れることもできなかった。

子供と平田が交通頻繁な水の上を見ていると、やがて夕方のお化粧を凝らした小夜子が入って来た。そして胡座を組んだまま、丸々した顔ににこにこしている子供を見ていたが、

「こちらいつかお宅でお目にかかった坊っちゃんですの。」

庸三も笑っていたが、あらためて平田青年をも紹介して、食べものの見繕いを頼んでから、風呂へ入った。

庸三はどこかこの同じ川筋の上流の家で、葉子が秋本と、今ごろ酒でも飲んで気焔を挙げているであろうと思われて、それは打ち明けられたことだけに、別にいやな気持もしないのであったが、自身の妙な立場を考えると、何か擽ったい感じでもあった。