Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
それで三村が均平を警戒しはじめ、郁子も間へ挾まって困っていた事情や径路が、古い滓が水面へ浮かんで来たように思い出されて来た。しかし思い出してみても今更どうにもならないし、どうかする必要もなかった。
「俺もよほど弱気になった。」
均平は嘆息した。ひところ金を浪費して、荒れまわった時のことを考えると、とにかく勇気があった。
内へ入って茶をいれているところへ、加世子が帰って来た。
「今この人と決めたんですけれど、今日は午前中病院へ行って、お昼から上諏訪へ遊びに行こうと思いますの。幾日もこんなところにいて鬱々して来たから。それに少し買いたいものもありますの。」
加世子は鏡の前で顔にクリームを塗りながら、言っていた。
「上諏訪! ああそう。」
均平も頷いた。
「お父さまもいらっしゃるでしょう。私たちお接待のつもりで……。」
加世子はふ、ふと笑っていた。
「それあありがとう。俺も光栄だよ。」
「光栄だなんて……。上諏訪へいらしたことがおありになって?」
「いや、こっち方面はどこも知らない。旅行はあまり好きじゃなかったし、隙もなかった。しかし、上諏訪へ行くんだったら、ちょっと訪ねたい処もある。