Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
多分それは株屋か問屋筋の旦那か、芳町に芸者屋をしていたころの引っかかりとしか思えなかったが、小夜子はそういうことについては、一切口を割らなかった。彼女は七年間の独逸貴族との同棲のあいだに、あまり身に染まなかった花柳気分からだんだん脱けて、町の商人にも気分が合わなくなっていた。今ごろ髪を七三などに結って、下卑た笑談口などきいて反っくりかえっているそこらのお神なぞも、鼻持ちのならないものであった。今では雑誌や新聞のうえで、遠いところにのみ眺めていた文壇の人たちと膝を附き合わせて、猪口の遣り取りしたり花を引いたりして、気取りも打算もない彼らと友達附き合いのできるのも面白かったし、地位や名前のある婦人たちの遊びに来るのも、感じがよかった。
庸三は十一月ごろ一度葉子をここへつれて来たことがあった。葉子が結婚生活の破局以来、今は遠くなってしまったあの画家との恋愛の初め、一夜を過ごしたことのある水辺の家のことを、折にふれて口へ出すので、それより大分川下になっている小夜子の家を見せがてら、彼女を紹介しようと思ったのであった。それは震災後山の手へ引っ越していたある料亭である晩二人で飯を喰っての帰りに、興味的に庸三が言い出したのであった。