Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
二人は食事をしまって、梨子を剥いていた。
「行ってもいいけれど……行きましょう、水を見に。」
葉子は外らさず言ったが、真実は気が進まなかった。
「何だかいやだな、そういう人。」
自動車に乗ってから、彼女は神経質になった。
「家を見るだけさ。」
「それならいいけれど。」
通された下座敷で、葉子は窓ぎわに立って水を見ていたが、彼女がここへ来るのに気が差したのは、あながち今までにもある意味の好い生活をして来たらしいマダムに逢うのが憂鬱だったばかりでなかった。小夜子の門と向き合って、そこにかなり立派なコンクリートの病院のあることと、その主が毎夜のように、小夜子の煩がるのも頓着なしにそっと入り浸っていることは前にも書いた通りだが、そこが学校を出たての葉子が、音楽学校入学志望で、かつてしばらく身を寄せていた処であったということも、葉子を躊躇させたものに違いなかった。
小夜子の家では、いつもと違って、サアビスぶりはあまりよくなかった。そして今上がりぎわに、ちょっと薄暗い廊下のところでちらとその姿を見かけた小夜子が、盛装して二人の前に現われるのに、大分時間がかかった。