Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
やがて玄関へおりて行った。
四十分もすると庸太郎が帰って来た。
「面白いや、あの女。」
「どうした。」
「番町の独逸人の屋敷へ行くというから、一緒に乗りつけてみると、ドアがぴったり締まっているんだ。いくら呼び鈴を押しても、叩いても誰も出てこないもんだから、あの人硝子戸を叩き破ったのさ。出て来たのは立派な禿頭の独逸人でね、暴れこもうとするのを突き出すのさ。そして僕の顔を見て、貴方は紳士だから、この酔っぱらいを家まで連れて行ってくれ。こんなに遅く、戸を叩いたりして外聞が悪いからと言うもんだから、まあ宥めて家まで送りとどけたんだけれど、自動車のなかで滅茶苦茶にキスされちゃって……。手から血が流れるし、ハンケチで括ってやったけれど。いや、何か癪にさわったことがあるんですね。――それにしても、あの独逸人は綺麗なお爺さんだな。」
庸三は黙って聞いていた。
ある日古い友達の山村が、ふと庸三の部屋へ現われた。作家であった山村は瀬戸物の愛翫癖があったところから、今は庸三の家からかなり離れた場所で、骨董品を並べていた。手のもげかかった仏像、傷ものの陶磁器、エキゾチックな水甕や花瓶、刀剣や鍔や更紗の珍らしい裂なども集めていた。