Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
そして探偵社と約束すると、ガレイジへも電話をかけた。
やがて絵羽の羽織を引っかけ、仏蘭西天鵞絨のコオトに黒の狐の衿巻を肩に垂れた小夜子とハイヤアのクションに納まったが、庸三は何だか進まないような気がした。と言って小夜子のこの行動にも別に意志があるわけでもなかった。少いおりに悪気のない不良少女団長であった彼女の、子供らしい思い附きにすぎないのであった。
自動車を還して、二人で探偵社の薄闇い応接室へ入って行ったが、しばらく待たされている間に小夜子は思いついたように、
「私何だか五反田の××閣あたりのような気がしますね。」
「××閣? それは何さ。」
「震災後できた大きな料理屋ですの、連れ込みのね……あすこに籠もっていれば絶対安全ですからさ。」
庸三はそんなことに暗かったが、葉子も実はそういろいろな世界を知っているわけでもなかった。しかし確信あるらしく小夜子にそう言われると、葉子と博士がそこへ乗り込んで行ったもののように思えても来た。
小夜子はそわそわしていたが、試しに××閣へ電話をかけてみようと言うので、あたふた廊下へ出て行って、受話機をはずした。庸三も傍に立っていた。