Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
見たところお玉さんは、単純と従順そのもののような女だったが、内心負け目を感じているらしく朗らかだとは言えなかった。
「カクテルでも召し食りません?」
彼女は大事そうにしてある幾種かの酒の壜を覗きながら、卓子でお茶を呑んでいる二人を振り返った。
庸三は手をふって見せた。
小夜子とお玉さんの間に、仲間の独逸人の消息とか男女の関係とか、世間の噂話が交されていたが、するうち三人で銀座へ出ることになった。
銀座でお玉さんは、行きつけの化粧品屋へ入って、ルウジュやクリイムなんかを取り出させて、あれこれと詮議していたが、結局何も買わずに出てしまうと、今度は帽子屋の店へもちょっと入ってみた。何といってもつつましやかな暮しぶりらしく、物質を少しも無駄にしないというふうであった。長く銀座をぶらつくということもなく、主人の帰る時刻になると、じきに電車で帰って行った。
そんな女たちを見ていると、庸三はいつもかえって葉子を想い出すだけだったが、ある日も書斎で独りぽつねんとしていると、小夜子がまた一人の別の女をつれて来た。いかにも押し出しのいい芳子というその女は、小夜子よりも少し若く、中高の美人型の顔で、黒い紋つきの羽織を着て、髪を水々した丸髷にしていた。