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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

食堂の窓からは渚に沿って走っている鉄道の両側にある人家や木立をすかして、漂渺たる、湖水が見えた。

「大変ですね加世子さん、ずっと付いていらっしゃるんですか。」

銀子はナプキンを拡げながら、差向いの加世子に話しかけた。

「そういうわけでもないんですわ。あの病院は割と陽気ですから、心配ないんですの。いつでも帰ろうと思えば帰れますの。」

「私今日あたりお電話して、事によったら行ってみようかと思ってたんですけれど、出しぬけでも悪いかと思って。」

「いらっしゃるとよかったわ。いらしたことありませんの。」

「ええ、こっち方面はてんで用のない処ですから。この辺製糸工場が多いんです。何でも大変景気のいい処だって……。」

彼女は岡谷あたりの製糸家だという、大尽客の座敷へ出たことなどを憶い出していた。

「それは前の世界戦の時分のことだろう。今は糸も売れないから、景気のいい時分田をつぶして桑を植えたのと反対に、桑を引っこぬいて米を作ってるんじゃないか。しかしどんな時代でも、農民は土に囓りついてさえいれば食いっぱぐれはない。」

均平はパンをりながら、

「己も士族の零落の親父が、何か見るところがあったか、百姓の家へもらわれて行くところだったんだ。