Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「じゃ車言ってもらおう。」
小夜子が浪速タキシイへ電話をかけた。
安栄旅館の路次口で車を降りてみると、今さら夜の更けているのに気がついた。彼は近頃時間の観念を亡くしていたので、特に夜が短かった。
葉子が路次口から現われて来て、ふらふらと幻のように彼に近づいて来た。
「私今メイフラワにいるんですのよ。」
「どうして?」
「旅館ではちょっと都合が悪いのよ。先生だって危険よ。」
「どうしてだろう。」
「黒須さんが私たちを誤解しているのよ。先生も共謀でやってる仕事だというふうに。」
「ヘえ。」
「でも、ちょっと上がって。マダムいい人よ。」
庸三は誘われるままに、その美容院の中へ入って行った。こちらにいる時分、時折葉子が来ていた家で、犬好きなマダムと懇意にしていた。レストオランのマネイジャをしている主人が、時々横浜からやって来るということも、庸三は彼女から聴かされていた。いつか生後三月ばかりのフォックステリアを、動物好きな咲子のために貰って来たこともあった。
マダムは住居の方で、もう寝ていたが、弟子たちがお茶をもって来てくれたりした。
葉子は神経が亢ぶっていて、落着きがなかった。