Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
「あの人目容がなかなか油断ならないって、北山さんがそう言っていますよ。」
庸三もちらちら動きの多い小夜子の黒い瞳が、どうかすると冷たい光を放って、その瞬間昔の妖婦を想像させるような美しさを見せることは知っていたが、それも、葉子などとはちがって、長いあいだのそうした職業から鍛えられた、どこか蕊に鋼鉄のような堅固なところをもっているからのことで、不良少女団長時代の可憐な性情は今でも残っていた。
「梢さんしっかりしなくちゃ駄目よなんて、今菊野さんに言われたわ。」
そう言う葉子の言葉のうちには、明らかに小夜子への敵対観念が含まれていたが、それも小夜子を恋敵としての感情というより、文壇や画壇の人で、いつも華やかに賑わっている小夜子の家の雰囲気が、何となく不安な感じを与えたからであった。
浴衣は潮色の地に、山の井の井桁と秋草とを白で抜いたものだったが、葉子にもよく映るような柄合いであった。彼女はちょっと肩にかけて見ていたが、一度でも小夜子の手を通したものだと思うと、矜りが傷つけられるとでも思ったらしく、いきなり揉みくしゃに揉みほごすと、ヒステリックな表情でつかつか庭へおり立って下駄で踏みつけた。