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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は心に空虚のできたこんな場合の例にもれず、葉子と切れてからしばしば近所の友人の家で遊んでいた。田舎丸出しの女中たちの拵えてくれる食膳に向かうことも憂鬱だったが、出癖もついていたせいで、独りで書斎にいると、四面楚歌のなかで生きている張り合いもないような気もした。しかしまた人知れぬ反撥心もあって、まだ全く絶望しているのではなく、今までの陰鬱な性格に変化が来るようにも思えた。本を読んでも、今までわからなかったことに新しい興味が出て来たり、熱に浮かされていた青年時代のそれと異って、しっくり心と心と取り組めるような感じだった。新規蒔直しには年を取りすぎた嘆きがあり、準備をするには何から手をつけていいか、今さら見当もつきかねるのだったが、何らかの補足はできそうに思えた。未練がましく生きる醜さにも想い到ったが、天才の真似をし損いたくもなかった。そんな時生活の裕かな老友の書斎にいると、心境と環境がまるで異っているだけに、いくらか気分が落ちつくのだった。

「また何かあるよ。生活には困らないが、独りも寂しいといったような女も沢山いるよ。」

友人は言うのだったが、しかしちょうど家庭にはまるような、そんな女や結婚を考えるとやはり憂鬱であった。