Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
すると清川はあるいは進んで、破綻百出のこの不自然な恋愛の不合理を説き、庸三自身のためにも、葉子のためにも、彼女を解放することを力説したかもしれず、事によるとあるいはすでに納得ずくの師匠もそれに助勢して、清川と葉子との恋愛を彼女の口から代弁告白することに、プログラムがちゃんと出来あがっていなかったとも限らないのであった。その場合、師匠が一歩先きに、自ら二人の恋愛を承認していなければならないのは、もちろんであった。
しかし庸三は、その晩の彼らの真意を、そこまで深く探究する余裕はなかった。彼はただ嵐の前の木の葉の戦ぎを感じ、重苦しいその場の雰囲気のなかに、徒らに清川と葉子との気持を模索するにすぎないのだった。
やがて四人打ち揃って外へ出てみたのであったが、葉子は部屋にいたときと同じく、始終物思わしげに、俛きがちに歩いており、清川の靴の音だけが、すでに春の装いもできた晦日ぢかくの静かな町に、ぽかぽかと響くのであった。
間もなく大晦日の夜更けの出来事が起こった。それが一層彼らの行動に拍車をかけたであろうが、庸三の贈った金の行き途についても、後にだんだん臆測癖の強い庸三の心にはっきりした形を与えて来た。